保護司はこんなことをする人です!



保護司は、犯罪や非行をしてしまった人の立ち直りを支援する「処遇活動」と、地域の方々に立ち直り支援への理解と協力を求める「地域活動」の2つの活動を主に行っています。 

処遇活動

処遇活動の中核は、「保護観察」です。保護観察では、犯罪や非行をして保護観察を受けている人と月に2~3回程度面接をし、彼らの生活を見守り、彼らの相談に乗ったり、約束事を守るように指導したりします。また、刑務所や少年院にいる人が帰ってくる場所である、家族や働く場所などの「生活環境の調整」も行います。

保護観察や生活環境の調整は、犯罪者処遇の専門家で、国の機関である保護観察所の職員である「保護観察官」と「保護司」が二人三脚で行っています。


地域活動

犯罪や非行のない地域社会を築くため、毎年7月を強調月間として、全国レベルで「社会を明るくする運動」を行っています。この運動においては住民向けの啓発イベントを開催するなど、様々な地域活動に積極的に取り組んでいます。



ある保護司のひと月の活動

 毎月数回、保護観察対象者が保護司の家を訪問(来訪面接)し、そこで保護司は、対象者の最近の生活状況などについて話し合い、相談に応じて指導・助言を行います。また、必要に応じて、対象者の家庭の状況を確認するためなどに、保護司が保護観察対象者の家を訪問(往訪面接)したりもします。更生保護サポートセンターを面接場所として利用することもできますし、コロナ禍では感染拡大防止の観点から、電話による面接という形をとることもできます。

 

そして、保護司は毎月1回、これらの内容を「報告書」にまとめ、保護観察所に提出します。従来からの紙媒体での提出に加えて、ICTを利用した保護司専用ホームページでも「報告書」を作成・提出できるようになりました。また、万が一、保護観察中に何か問題などが起こった時には、保護観察官に速やかに連絡し、アドバイスを受けます。

 

各地域には保護司会があり、ほぼ毎月、定例会が開催されるので、定例会に参加して、保護司会の活動等について話し合います。また、定例会に合わせて、研修や部会が行われることもあり、保護司として必要な知識及び技術の習得に努めたり、部会活動を行ったりしています。

 

そのほかに保護司会の活動としては、毎年7月を強調月間として行われる「社会を明るくする運動」を中心とする、犯罪予防活動の実施などがあります。

ある保護司の声

非行の背景には、居場所の問題があると思いますね。両親の不和とか、離婚とか、虐待などの家庭でのトラブル、また学校でのトラブルなど。そこに居づらくて、寂しくて、今のラインとかツィッターなどのネット社会の中で誰かとつながったりする。一人でいる時はおとなしい感じでも、仲間といるとお互い弱みを見せまいとエスカレートしてしまう。安定した情緒が育まれていないから、人に対する警戒心や不信感が強い。保護司の最初の仕事は、どうやって保護観察対象者との信頼関係を築くかですね。時間はかかりますけどね。 

 

保護観察対象者に寄り添いながら、一緒に考えて、支えていく。根気もいるし、苦労もあるんですけど、自立してくれた時の安堵感とか、満足感とか何ものにも代えがたいですね。何年か経ってから、お世話になりましたと訪ねて来てくれることもある。無上の喜びですね。 

 

保護司仲間には、保護司になって視野が広がった、自分自身の人間的成長につながったという人が多いですね。私もその一人ですね。今は、更生保護サポートセンターという活動拠点が整備されてきて、困った時には先輩に相談もできるし、知恵も出てくる。とても助かっています。 

 

子どもたちのSOSに早く気付いて、除け者にしないで、いい意味のお節介を焼く人が周りにたくさんいる、こんな地域だと犯罪や非行も少ないんじゃなか、安全・安心な生活の基盤じゃないかと思っています。